障がい者に対する日本とアメリカの違い ~パーキング編~

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  日本では、障がい者用のパーキングの許可申請は手続きが煩雑である。そもそも身体障がい者1、2級に認定されないとこの権利=駐車禁止除外指定車の証明書はもらえない。障がい者を理解するのに国や法律は関係ないといってもやはり社会の制度的な問題は切っても切れない関係にあるので、こういった仕組みは一般の方でも理解して欲しいところだ。

  知的障がいの場合の身体障がい者1、2級との対応基準は、 IQ が 35 以下であるかどうかとなる。この IQ というのは評価テストを受けて結果が出されるわけだが、専門家の判定とはいえ、個人的にはかなり恣意的な要素が入る余地があるのではと思う(IQ 36 と判定されれば事務処理上は IQ 35 とすることが可能だろう…かなり日本的なシステムではある)。

  一方、アメリカでは(自閉症の場合は、自閉症の)障がい者であることの医師の診断書があれば役所(DMV=Department of Motor Vehicle;アメリカの陸運局のこと)で即時取得可能。日本のように IQ 云々は要らない。申請料はカリフォルニア州の場合は無料。

  障がい者用のパーキングにクルマを停めるときは写真のようなプラカード (Placard) をフロントガラスのバックミラーのところにぶら下げる。これがないまま店の前にクルマを停めていたりするとすぐに店員が注意しに来る。放っておくとたぶん警察に通報されてちょっと停めただけでもかなり高い罰金を払わされる。

  そういえばこの間、このプラカードを失くしてしまった。前に申請したときにもらった発行書を役所に持っていったら即時発行してくれた。アメリカは日本人には想像をはるかに絶するくらい役所の仕事が遅いが、こういうところはフレキシブルに対応するなと感心する。

  日本の場合は、駐車禁止除外指定車の証明書はクルマのナンバーにリンクしているから、基本的に1台しか乗れないことになると思う(今はよくわからない)。一方でアメリカのプラカードのシステムは、カードをバックミラーにぶら下げるので、(本当はいけないのだろうが)どのクルマでも対応できて、これがなかなか便利な仕組みである。

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