パーミッションマーケティング

電子メールはプッシュなので、ともすると自分には全く必要のない情報 (メール) まで受け取ることになる。おそらくこれを読んでいる読者の中にも、見ず知らずのアドレスから英語で書かれたわけのわからないメール (たいていはアダルトサイトの宣伝だったりする) を受け取った経験のある人がいるのではないだろうか。

メールアドレスを教えたつもりがないのに見知らぬ相手からメールが届くというのは、何かしらの原因がある。たとえば、ウェブサイトでユーザー登録などをしているうちに、いつの間にかあなたのメールアドレスは業者 (名簿業者みたいなもの) に売られていくことになる。こういったメールは 「スパムメール」 とも言う。アダルトサイトの宣伝は端的な例だが、これと同じようにメールという仕組みを使って、一般の真面目な企業も不特定多数に自社の製品やサービス情報を提供したいと考えるのは当然である。TV の CM、新聞や雑誌に広告を出すよりもメールの方が断然コスト (費用) がかからないからである。

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一般の企業が、不特定多数に自社の新製品情報が書かれたメールを送っても、それを受け取った人が興味がなければ、何の意味もない。それどころか、逆に 「自分にとって意味のないメール (スパム) を送ってきた企業」 として、その企業の印象を悪いものとしかねない。これでは、企業の方もただやみくもにメールをガンガンいろいろな人に対して送ればよい、というものではない。

私はインターネットでのビジネスの仕組みを考える仕事をしているが、そこでは米国の先進的なマーケティングのやり方として 「パーミッションマーケティング」 という考え方がある。

パーミッションとは英語で 「許可」 という意味である。それは、あらかじめ企業がメールを送る相手に、メール送ってよいか 「許可」 を得ておく方法である。つまり、新製品の情報を欲しいかどうか尋ねておき、欲しい人だけにメールを送る。これならば、送られた方も事前に 「新製品情報のメールが欲しい」 という意思表示をしていることになるから、その企業の印象が悪くなることはない。さらに、個人があらかじめ自分の好きな分野、たとえば 「旅行」 「育児」 「クルマ」 などを選んでおき、企業がそのような個人に対して製品やサービスの情報をメールで送る、というような仕組みも考えられる。

インターネットを使えばこのような仕組みもウェブとメールを使えば簡単にできそうだ。このような仕組みを 「オプトイン」 という。

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