私はかつて作曲が趣味だった(子どもができてからまったくやっていないが・・・)。
昔は、音楽といえば Mac だった。でもそれは OS 9 までの話で、プロ向けの今の現状はわからないが Mac OS X になってからというもの、 Mac の世界でのコンシューマ向けの DAW (Digital Audio Workstation) / DTM (Desktop Music) の移行は、完全に失敗したのではないかと考えている。
実は、今の Mac OS X が提供する音楽関係の API はものすごい(OS 自体がシーケンサーの機能をほとんど提供している。各社、その API をラップする GUI を作ればいいだけの話)のだが、Mac OS X 出始めの頃の 10.0~10.1 あたりがダメダメだったために、この業界をリードするローランドもヤマハも自社のシンセに対するドライバやソフトウェア対応 OS なども真っ先にウィンドウズを考えるようになってしまい、それが今に続いているという感じである(2005〜2006年にかけて、この状況は改善されつつある)。
音楽製作の世界で相対的にウィンドウズの地位を高めてしまった理由には、次の2つが考えられると思う。1つには OS 9 から OS X に移行するときには、ユーザーはまだ OS 9 上での音楽製作ソフトを使い続けていたということ。これは、OS X に移行してもソフトがなかったのだから移行しないのではなく、ソフトが出そろっていなかったためにそもそも移行できなかったのである。2つ目は、DAW ソフト開発元も、ユーザーの動向を見ながら Mac OS X への移行を考えていたはずであるが、音楽関係者が OS 9 で満足していたということで、開発の優先度に関してウィンドウズの方が先になってしまったこと(ちょうど XP が発売されて、OS 9 よりも比べものにならないくらい動作が安定していたという事情もあったろう。OS X は今でこそ VISTA だが、当時の OS X は先を行き過ぎて OS としては当時のハードには荷が重過ぎた)。音楽関係者にとっては最新のテクノロジーは本質的には関係がない。おそらく私が知る限り、この世の中でソフトウェアを最も真の「道具」として使っているのは、音楽関係者ではないかと思う。なぜなら彼らは、自分の使い慣れた道具(ソフト)は、簡単に手放さないからである。今でもヤフオクや中古市場で PC-9801 の需要があったりするのは、DOS 上で動く音楽ソフト(シーケンサー)を使いたいからだ。
私はかつて音楽は90年代にウィンドウズを使っていて、そのときに Mac の音楽環境に憧れを抱いていたので、OS X 発表のタイミングをもって音楽環境をすべて Mac に移行しようとした。しかし 00年以降は Mac の音楽環境は常にウィンドウズにビハインドといった形で、それでいつの間にか自分の作曲の熱も冷めてしまったりもした。
00 年以降は、仕事でケータイ系のシステム設計をしていたので、会社に「クライアント開発に着メロが必要」との理由で Motu の Digital Performer 4 を買ってもらって使ってみたことがある。その感想は、非常に多機能なソフトのために、当時の Mac (2002年頃)では最速のマシンでないと CPU パワーが足りないという印象だった。
しかし、現在(2006年)では CPU パワー、ソフトとも、今の Mac ではだいぶ整ってきたと思う。その意味ではインテル Mac と OS X 10.4 Tiger のタイミングをもって音楽を始めるのは絶好のタイミングだと思う。いろいろな苦労がなくてうらやしいくらいである。
ソフトは、Mac OS X に付いてくる Garage Band ではなくて、いずれ Digital Performer か Logic となると思う。Logic はアップルが買収してしまったから、OS のことを誰よりも知り尽くしているアップルが提供する Logic がいいのではないか。私が手に入れた Digital Performer も悪くはなかったが、Logic とあまり機能的に差がなかったり、好みの問題だったりするのであれば、将来のソフトの継続性を考えればアップル純正を選んでおけば間違いないということである(将来、ソフト提供元が買収されたりするかもしれない。例えば、マクロメディアのソフトを使っていた人は、今はアドビ。なにより Steinburg の Cubase はヤマハに買収されていた。私はソフトの「将来に渡る継続性」は今は何より大事に考えている)。
いずれにしても、現在は Core Duo のインテル Mac が手に入るとはいえ、音楽するならいつの時代でも買うなら最速のマシンにしておいた方がいいだろう。デジタルレコーディングで音質を落とさないで、という条件が付いた場合には、レコーディングでいろいろなバージョンを残すことを考えると、ファイル容量も HDD も最大にした方がよい。
私は今は Mac 派なので、Mac がいいのだと思いたいのだが、こと音楽に関しては、ウィンドウズの方が進んでしまった背景がある。従って Mac だけでなくウィンドウズの音楽環境も検討してみる価値はあるかと思う(いずれにしてもインテル Mac を買えば、Mac の音楽環境に失望しても、いつでもウィンドウズに乗り換えられるのだが)。
すみません、satoshi さんのブログにコメント書いていたら長くなってしまったので自分のブログに書いてしまいました。
実は私は、あの小室哲哉も使っていたという「レコンポーザ」というソフトを愛用していました。作曲するときに、いわゆる「打ち込み」ってやつで音符ではなくてすべて数値で打ち込むんです。Mac にはないんですよね。。
作曲はソフトウェアの開発とよく似ています(どこかで妥協しなければいけない点、決して完成しないものである点など)
最近は、OPNET というネットワークシミュレーションの大変複雑なソフトを仕事で使い始めたのですが、このソフトは分野は違うことすれ、作曲の手法ほとんど同じことがわかりました。
今年は JavaOne は 5月だったんですね^^;6月だとばかり思っていました。。。ちなみに私もサンフランシスコの JavaOne で出展したことがあります。
Anyhow、コメント残していただきありがとうございます。
勉強になります。しかし、OS-Xへの移行って意外にスムーズではなかったんですね。私も最近はすっかりアップルファンなので、頑張って欲しい所です。