ネット上では 「ブログ」 が大ブレークだそうだ(いや、「だそうだ」なんかじゃなくて実際そうなのだ)。ブログとはもともとウェブログ Weblog の略で、ひとことで「日記風簡易サイト」と説明されることがある。
で、世の中の動向を誰よりも先に指摘していくこのエコノ研究所(笑)、当然このエコノ研究所でもブログに触れられていなければならなかった。しかし残念ながらブログについて書くのは今回が初めてだ。
実は、前回投稿した、Google の AdSense で、
…まで説明してきてここで初めて「ブログ」が説明できるのだ。一般的には、みなさんも「ブログ=日記」と思っているに違いない。ほとんどのブログと名乗っているサイトを見れば中身は日記なので、これは間違ってはいない。
livedoor 社長日記(今は堀江貴文の日記に改名)
も、livedoor Blog(ブログ)となっているのだ。が、逆に 「日記=ブログ」 という定義は違うのだ。これまでブログに触れられなかった理由は、ブログであることの条件に関係する。
私の定義するブログがブログである条件は以下の6つである。
それではひとつひとつ説明していこう。
従来、ホームページ (HP) を作るためには、自分の PC 上でさまざまソフトを組み合わせて 1 つのホームページを作っていた。それが、ブログではブラウザ1つさえあればサイトへの記事を投稿したり、デザインを変えることができるようになっている。よってPC に不慣れな初心者でも比較的簡単に HP を持つことができるようになった。デジカメで撮った画像も簡単にサイトに入れ込むことができるようになっている。
サイトを作るときに、コンテンツ(記事、情報)は、日付ベースで書くことになる。そして書いた記事はページの一番上に自動的に表示される。ブログ=日記と思われるのは、サイト内の記事は日付で管理されるために、このスキームで個人がホームベージを作るとなると、必然的に記事=日記となり得ること、そしてブログに書く内容としては日記が最も向いているということだ。もちろん、プログに書く内容は日記でいけないというルールはないので、日頃思っていることでもいいし、ニュースでも、写真でも、とにかく何でもいい。
従来は、個人がホームページを持った場合には、必ずといっていいほど 「掲示板」 のコーナーがあった。しかし日付ベースで管理されるブログではその記事に対してコメントを簡単に付けられるようになっている。
従来のウェブサイトは、サイトを作る人がデザインを考えながら記事を織り交ぜて作っていた。このため、サイトのデザインを大幅に変更しようとすると記事の配置その他も一緒に変えなければならなかった。サイトのデザインを変えるということは、1 からサイトを作り直すということであり、これは大変な作業であった。しかし、最初からサイトのデザインはデザイン、データはデータで分けて管理したら?デザインとデータは切り離されているので、サイトのデザインは「テンプレート」と呼ばれるサイトデザインの 「ひな形」 を変えるだけでよくなる。このようにすると気分次第でサイトのデザインを簡単に変えられる。より技術的には、サイトのデザインはスタイルシート(やテンプレート)によって変えることができる。
実は、このトラックバックというものがブログをブログたらしめている仕組みであり、この仕組みがないとブログとは名乗れないのではないかと思う。そしてこのトラックバックの説明が一番難しく、私自身もなかなか理解できず、自分で完全に咀嚼できたのが昨年に入ってからだったので、ブログについてエコノ研究所に書くのが遅くなってしまった。
トラックバックとは、他の人が書いたブログの記事の一部を自分が引用したり、その記事に対して感想を述べるときなどに、「私はあなたの記事(ブログ)を引用しました(または感想を述べました)」 と知らせる機能である。もしあなたが見知らぬ A さんの記事を自分のブログに引用したとする。そこで引用元を明記すると共に、A さんに 「引用しました」 という情報を送るのである。従来は見知らぬ人の記事を引用したらメールで 「引用させてもらっていいですか?」 「引用させていただきました」 と、そんなやり取りがあったと思うのだが、ブログの世界のこの通知はメールはない。ウェブでの引用はウェブで知らせるのである。A さんのサイトがブログであれば、引用しようと思ったA さんの記事には 「トラックバックURL」 というのがあるはずである。この URL をコピーして、1. で説明した自分の記事を書くときに含めておく。そうして自分の記事を保存すると、A さんのサイトの中の引用した記事の下の方にあなたのサイトのリンクが(自動的に)表示されるのである。
A さんの書いた記事が 「渋谷のラーメン屋」 で、あなたがそれに反応したとき、あなたも 「渋谷のラーメン屋」 について書いている可能性が高いだろう。この理屈から言えば、トラックバックを送ることによって A さんの記事にあなたのサイトのリンクが表示され、A さんの記事の読者はあなたのサイトへのリンクも見つけるはずだ。そうするとAさんの読者は、A さんの記事のトラックバックを集めることにより、似たような記事を集めて読むことができ、他の人が 「渋谷のラーメン屋」 についてどのような意見を持っているか知ることができるのだ。
ここで思い出して欲しいことがある。このトラックバックの仕組みはGoogle の PageRank に書いた、
まさにこの 「Google に対して自分のサイトを検索されやすくする」 行為にもなっている。そして Google で検索される(キーワードを入力すると自分のブログが検索結果の上位に表示される)ということは、自分のサイトを特に宣伝しなくても検索してきた人が自分のサイトを訪問するということである。自分のサイトに Google の AdSense の広告が表示してあって、たくさんの訪問者が集まれば、それだけ AdSense の広告をクリックしてもらえる可能性が高くなるだろう。そして AdSense によるクリックされれば、いち個人としてホームページ(ブログ)を書いていても、少しだけ小遣いが入ってきて嬉しい、ということになってくる。
RSS の仕組みとは、そのサイト(ページ)の要約を表すもので、具体的にはリンクである。要は、ブログのサイトが更新されたら自分に教えてくれる機能に使われるものであるが、それだけではなく、「サイト同士の連携」 にも使われる。
これは、ウィンドウズ XP を利用している人に対して説明するのはなかなか難しい。ウィンドウズな人は、今年の終わりに Windows Vista が出るまでこの機能の有用性はなかなかわからないことと思う。興味のある方は「RSS リーダー」でググってください。ちなみに Mac OS X ではブラウザ Safari に、RSS リーダーが付いている。ウィンドウズXPの人でも、ブラウザで Firefox を使っている人は、Firefox 自体が RSS リーダーとなっているので、ブログを見つけたら、アドレスバーの右のところにオレンジ色のアンテナのアイコンが現れるはずだから、それを 「ライブブックマーク」 すると RSS がどんなものか体験することができる。
ここまで来ると、「単なる日記=ブログ」 ではないことがわかってきたと思う。日記だけでは、
と、まぁ、これだけ 「ブログ」 と違ってくるのである。世の中で 「ブログ、ブログ、ブログ!」 と騒いでいるが、ブログを突き詰めて行くとうまく Google の仕組みとマッチする。あまり指摘されないことではあるが、ブログが爆発的に普及した理由の1つ(決してすべてではない)に、Google の PageRank、AdSense があると思うのだ。その証拠に、どのブログにも Ad by Gooooogle とか出てくるでしょ?ブログを理解している人ほど、トラックバックを使いこなしていると思う。
とはいいつつ結局は、自分のブログなんて好きなことを書けばいいし、トラックバックなんて理解しなくてもブログはブログなんだけれども。