アメリカ大陸発見

Antelope Canyon

  アリゾナ州に旅行してたときに、とある街ではツアーのガイドがネイティヴ・アメリカン(いわゆるインディアンのことだが、それは差別用語だそうだ)だった。彼はナハボ(Navajo)族出身だといい、髪の毛は黒く、肌の色も褐色色で顔つきはどちらかというとアジア系だ。「ネイティヴ・アメリカンは、氷河期にベーリング海をアジアから渡ってきた」という話が理解できた気がした。

  この街のあちこちでネイティヴ・アメリカンに会う。ファーストフードで、ガソリンスタンドで。アメリカ人として生活しているが、伝統なのだろう、男性でも髪の毛は長く、結んだ髪は背中まで伸びている。

  彼らのことを想う。彼らは先祖代々この地で生活し、守ってきた。しかし街はヨーロッパから渡ってきた西洋人の様式によって設計・開発され、今では(日本人が想像するような)典型的なアメリカそのものなのだ。

  一見平和に暮らしているように見えるのだが、この街ではネイティヴ・アメリカンの人口比はずいぶん多そうだ。そう考えると彼らはアメリカ(西洋)の生活様式、ルールに従っているだけで、彼らの表情のどこかには生活していくためには仕方なくそれを受け入れているような陰を見た気がした。

  私たち日本人は学校で歴史の時間に「1492年にコロンブスがアメリカ大陸を発見した。」と習う。しかし彼らはその発見よりもずっと前から住んできたのだ。たしか日本もマルコポーロによって発見されたんだっけ(ついでにニッポンじゃなくジパングという名前まで勝手に付けられて)。

  アメリカ大陸発見とはいかにも西洋人の中心の傲慢な発想なのだなと感じずにはいられなかった。

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Posted on 2006-09-08 by yas |