[inline:fragmented_society_3.jpg] 昔のクラシック音楽は曲の長さが数十分なんていうのはざらにあった。
今のポップスはどうだろう。だいたい1曲数分だ。
CM ソングともなるとサビしか流せない。たったの 15秒だ。
サビの部分たかだか 8小節というところか。
着うたフルは別として着メロに関しても、自分のケータイに呼び出しが来て出るまでの間に鳴っていて欲しいものだから、これもサビが選ばれる。8小節から長くて16小節だろう。
そうするとポップスはサビがいかに「キャッチーなメロディーか」によってビジネスとして売り行きが決まる。
A メロ、B メロなんかはビジネスの観点からは正直どうでもいいだろう(実際、A メロ B メロは後から付け足したようなものが多い)。
時代が進んでいったら音楽まで断片化されてしまった(これも、コピペが簡単に行えるコンピュータミュージックの登場による)。そして人々はそれを楽しむようになった。
音楽は小節単位で微分されたのだ。微分されたサビは一人歩きするようになり、A メロ B メロは後からとってつけてもよいものとなった。そうすると今
度はBメロとサビの間で急に転調したりして人間の耳に対して心地よい小サプライズを起こす曲が多くなった。ひと昔前の小室哲也の曲なんかはほとんどの曲で
サビの部分は転調していた。今の人たちはその変化を楽しんでいる。
(微分化された社会その3 おわり)