『ウェブ進化論』 出版記念講演会メモ

キーワードは 「ゼロコスト」

空気を説明するのはむずかしい。当たり前のことを人に説明するのはむずかしい。結局、説明できないので相手に説明しないということになり、悪循環が生まれる。

朝日新聞全 5段の広告出稿は 1,000万円。この広告は 1日で消滅してしまうが、ネットならば(広告や口コミ)は残る。

「ウェブ進化論」という本のタイトルは Google で検索してないものを選んだ。2006/01/01 に「ウェブ進化論」で検索すると 11 件だったものが、本が発売されてから今 (2006/04/21) では 230万件になっいてる。

40代半ばの人たちは、技術はわかっている。わかっているけど仕事が忙しくネットを利用していないから誰も買わないものができてしまう。

現在起こっているのは IT革命ではなく、I革命である。Google が作っているのは I革命なのである。
→若い人はこれを享受しているが、見向きもしない人がいる。

ネットの世界の 4 大法則と 3 大潮流

  • オープンソース
  • チープ革命
  • インターネット
  1. 神の視点からの世界理解

    →世界中の人は今何をやっているのかを分析して億単位の行動を上から俯瞰することができる。アメリカの諜報機関 CIA などを考えてみればよい。政府がお金をかけてもできなかった。

  2. ネット上に作った人間の分身がカネを稼いでくれる経済圏

    ロングテール法則 母数は≒∞、コストは≒ゼロ 1億人から 1円ずつ集めるコストはゼロという世界を考えて欲しい。1 万人の従業員がいる会社は 1 人が 1 日に 8時間働いているとすると、1 日に 8万時間を使って仕事をしている。これが 10 万人だと 48分、100 万人だと 5分、1,000 万人だと 30秒。アマゾンではレビューを書いて 5 分でもその人がサイトに滞留してる人が無数にいるということが起こっている。そのレビューが書かれるコストはアマゾンにとってはゼロに等しい。そのレビューを書く人が膨大な数になることを考えてみて欲しい。

  3. オープンにすると何かが生まれる。

    →オープンソースとは Global Virtual R+D Orgnaization である。オープンソースの開発者は、現時点で全世界で 300万人程度いるだろう。これは企業の R+D 部門からすれば無限 x コストゼロである。
    →ネットリーダーシップはリアル世界のリーダーシップとはまったく違うものである。
    →Wikipedia もオープンソースだろう、そこでのインパクトは測り知れない。企業の中では、人、金、モノが必要となる。それを動かそうと思ったら権利(権限)やパワーが必要である。しかしオープンソースの世界ではリアルの世界での権限、すなわち金銭、命令、強制力が原動力ではない。これはなぜ人は働くのか?という疑問と関係がある。
    Attention:他者から認められるということ。称賛、承認、存在確認、注目
    →リアルの周りが自発的参加するということ

質疑応答

  • ネットの世界ではお金はあまりまわらないが、それはリアルの世界のお金の動き方とはまったく違う。
  • マイクロソフトはリアルで稼ぐ。Google は(ネットで)横に展開する。マイクロソフトと Google は案外共存するのでは。
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Posted on 2006-05-17 by yas |