見栄えのよい文書を作るには、フォントやレイアウトを工夫しなければならない。それにはいくつかのポイントがある。
フォントは、ご存知ゴシック体と明朝体がある。それぞれ、基本的に使い方が決まっている。
こうしてみると PC の世界では、人間に対する画面デザインはほとんど考慮されていないことがわかるだろう。これは技術者が単に上のような DTP におけるテクニックを知らなかったからなのだろうか。Windows と Mac のインターフェイスの違いを考えても、使いやすさは上に挙げた基本的な差異から来ていることが多い。
日本では、駅にある電光掲示板などは、なぜか明朝体だったりする。あのドットの荒い LED のディスプレイで明朝体の文字の先端の跳ね方などを表現しきれないのに、なぜゴシック体じゃないのかずっと疑問だ。技術者にもう少し絵心というかデザインの基礎があったらなと思う。ゴシック体は視認性に優れているので、ゴシック体の方が電光掲示板のフォントに適しているはずなのに。
また、紙の文書とウェブサイトのデザインは違う。上にも触れたように、コンピュータのモニタを通して読むフォントとしては、明朝はほとんど使い物にならないだろう。ウェブサイトではマウスによる操作が入ることに注意したい。ウィンドウズのタスクバー のエントリーを参考にして欲しい。
ほとんどの人は右利きと思われるので、マウスを右手で持つのだ。右利きの人のマウスの使い方の場合、左上から右下(左から右への流れ)のマウスの動きが自然なのだ。逆の動きは思考の分断をもたらす。よくインデックスをブラウザの画面の左側に配置するサイトがあるが、これは紙の文書として、または印刷物としての見た目には良いレイアウトの例なのだが、サイトとしての機能を持ったレイアウトとしては使いづらいものになってしまうのだ(Mac とウィンドウズの「はい」「いいえ」ボタンの位置の考え方)。従ってこのブログではメニューなどのインデックスは左側ではなく右側に配置している。
ウェブサイトでインデックスやメニューを左側に置きたい人は、DTP やレイアウトなど、そういったことを必要とする仕事に従事してきたのだろう。しかし面白いことに技術者がフォントの使用で過ち(?)を犯したように、従来の紙の上でのデザイン関係者も新しいパラダイムであるウェブデザインで過ちを犯しているのだった。
ダニエル・ピンクの「ハイ・コンセプト」にあるように、これからはデザイナーは機能を学び、技術者はデザインを学ぶ時代なのだ。