生産性と作業効率

私がもし中学の社会科教師だったら、経済とは何かを教えるために、授業で「電波少年 アンコールワットへの道」のビデオを教材に使い、生徒に見せるだろう。このコーナーはカンボジアのアンコールワットまでの悪路 82km をひきこもりの若者などを中心に鋪装していくという内容だった。以下は、作業日程。

2001/08/05 0km 作業開始 (2001/02/03まで、ひたすら人手で鋪装)
2002/02/03 51km1週間分の重機投入、レンタル代 10,000 バーツ
2002/03/30 82km 終了 (全 37 回放送)

始まりは 2001/08/05 放送分であり、翌年 2002/02/03 放送分まで 182 日かけて 51km を鋪装した。時間的には 2002/03/30 終了分まで、ここまで 77% の時間がかかっている。ここで重要なのは、 2002/02/03 放送分では、鋪装作業に重機を投入したことである。
このレンタル重機の投入によって残りの 31km が 55 日間という短さであっという間に鋪装できたことがわかる。時間的には全体の 23% であった。
1km 進むのに 3.56 日かかっていたものが、重機の投入により 1.77 日となった。重機によって手作業よりも約 2倍の作業効率が上がったことになる。レンタル代を 1週間 10,000 バーツ支払ったとしてもその対価に十分に見合うものであったと考えられる。
このコーナーはこのように単に人類が機械によっていかに生産性をあげてきたかを示しているだけでなく、組織・リーダーシップとは何か、ということにも示唆に富んでいた。

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Posted on 2003-01-15 by yas |