2001年に亡くなった私の母親は、私を産んでからというもの、
リウマチであった。
これといった治療法がなく原因不明の病気だったが、最近の研究で
その原因がだんだんわかってきたようだ。
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2003/06/30 日経朝刊社会面より無断転載
理化学研研究員ら発表
体を守る免疫システムが、逆に体の組織を攻撃して起こる関節リウマチの原因となる遺伝子の一つを、理化学研研究所の山田亮研究員らが特定し、三十日付の米科学誌ネイチャー・ジェネティクス(電子版)に発表した。
この遺伝子は、PADI4と呼ばれ、体内にあるアミノ酸のアルギニンをシトルリンに変える酵素を作る働きがある。
患者の血液中では、シトルリンを含んだ蛋白質を攻撃する抗体が見つかっており、この遺伝子の働きを抑えたり、酵素の作用を阻害したりできれば、新たな治療法の開発が期待されそうだ。
山田研究員らは、関節リウマチ患者830人と、患者でない736人の遺伝子を解析。患者が特徴的に持つ遺伝子を探した結果、PADI4が高率で見つかった。この遺伝子には2種類のタイプがあり、患者は酵素を作りやすいタイプを持つ人が多いことを突き止めた。これらのことから患者では、シトルリンを含んだたんぱく質が増加。抗体がこのたんぱく質を攻撃し、発症すると考えられるという。