と、Google の PageRank 技術について書いた。これは革新的な技術ではあるが、Google はこの技術をどのようにビジネス=金儲けに結びつけたのだろう?それが Google の AdSense(アドセンス)である。AdSense は AdWords(アドワーズ)と呼ばれる技術と対になっている。
Google のサイトは、利用者が検索キーワードを入力し、利用者が欲しいだろうと思うその検索結果を表示する、という単純な仕組みである(その単純とも思える仕組みに、PageRank 技術が利用されている)。
さて Google はこの検索キーワードに目をつけた。 「みんなが検索するキーワードはきっと価値があるはずだ。」そこで Google は検索キーワードに値段をつけることにした。しかもオークション形式で。たとえば 「ラーメン」 という言葉があったとする。もしおいしいラーメンが食べたかったら、我々は 「おいしい ラーメン」 と Google で検索するはずだ。ここでラーメン屋のサイトは、Google に対して 「ラーメン」 というキーワードに自分の出せる範囲でお金を支払う。Google は 「ラーメン」 というキーワードにもっとも高い価格を付けたサイトに対して優遇する(検索結果の上位、もしくは目立つところにそのサイトのリンクを露出させるようにする)。
一方で、このラーメンに関するニュースや HP では当然ラーメンに興味を持った人がみている可能性が高い。そこで Google は考えた。HP の内容を分析してラーメンの内容が書かれたページならラーメンの広告を出したら良いのではないか?それが AdSense という仕組みである。つまり AdWords でキーワードに高い値段をつけたサイトは、AdSense の広告で表示される、ということなのだ。
では、具体的に AdSense とは何なのか?これは今や、どのサイトでも見つけることができる。たとえば、
のどの記事でもクリックしてみれば、そのページの最後の方に 「Ads by Google」 と表示された文字だけの広告が見つかるはずだ。
この AdSense、ページの内容に沿った広告が表示されるところがミソだ。
たとえば、ゆたママ家のだいありーで言えば、
https://2kids.net/yutamama/diary/archives/000913.php
をクリックすれば、右下に 英会話関係 の広告が縦に並んでいるはずだ。これは Google がこのページの内容を即座に解析して、このページのテーマである「英語学校のクラス」を判断して広告を表示しているのである。
「ゆたママ家のだいありー」 は、海外生活の中での出来事を中心に書かれているので、「英会話」 「国際結婚」 「日本の商品なんでも買える」 などの広告が出やすい。また、クリスマスのシーズンなどは当然こちらでのクリスマスの様子を書いているから、その HP の内容に沿ってクリスマスに関連した広告が並ぶようになる。
これが AdSense である。AdSense の広告の露出は、AdWords での業者がキーワードに値付けたもので高いものから優先的に表示される(キーワードのオークション)。そしてその広告を HP をみた人がクリックしたならば、キーワードに付いている価格の一部を Google が受け取り、一部をこのサイトのオーナーが受け取る。この AdSense の仕組みによってサイトのオーナーは 1 日に何回クリックされたのか、クリックあたりの儲け率はどのくらいなのかを知ることができる。
私の経験からいうと、この AdSense の広告を 1 回クリックするだけで、0~数円~100 円程度がサイトのオーナーに支払われるようだ。Google からのサイトのオーナーへの支払いが $100 を超えると、基本的に Google からサイトのオーナーに小切手が郵送されて来る仕組みである。
どのサイトかは具体的にはここでは明らかにできないが、1 日のページ ビュー(閲覧数)が多いサイトでは、それだけで月 20 万円入って来るサイトもあると聞いた。
Google の AdSense は小規模なサイトでもそのサイトのテーマ・内容に沿った広告を露出することによって、HP を訪れた人がその広告をクリックする確率を高めている。従来のいわゆる 「バナー型広告」 とは一線を画するものである。私の経験から言ってバナー広告はほとんどクリックされないが、AdSense による広告はクリックする人が確実に存在する。小規模なサイトでもお小遣い程度は儲けられる仕組み、それが AdSense である。
PageRank、AdWords、AdSense、この 3つの技術をベースに広告事業で儲けているのが Google なのだ。