私が最初に観たのはかれこれ 20年近く前なのではないだろうか(この映画自体、1984年ものらしいし)。そのときに観た映画の印象はずっと今に残っていて、いつかもう一度観たいと思っていたので、今更ながら DVD を買った。結果、まずは作られてから 20 年という歳月をまったく感じさせない作りに驚いた。
モーツァルトの絶対的な天才ぶりは宮廷の「フツーの(しかしきっと努力家であったのだろう)」作曲家であるサリエリに語らせることによって相対的に映画の中で浮き立たせて描かれる。この手法はまさに効果的でこの映画の素晴らしいところである。本人であるモーツァルトと他人であるサリエリ、そして本人の中の天才ぶりと自身の中の狂気ぶりがいかにも対照的で、アマデウスの生涯を見事に表現している。
180 分という長い映画で、ともすると途中だらだらして飽きてしまうのだが、「この曲もモーツァルトだったのか!」と、曲名を知らなくてもモーツァルトの音楽が流れれば新たな発見がある。随所に彼の楽曲が効果的にストーリーの流れに乗って散りばめられており、長編映画だが飽きさせない工夫がある。やはりそれはモーツァルトの音楽の威力だろう。
作品の評価が星5つだとすれば英語の難易度も星5つである。
さて、この映画で話されてる英語のレベルであるが、単語からして高度で、表現(言い回しが)も回りくどいものが多く、英語字幕を追いかけていくのがやっとであった。英語学習初心者向け用途にはまったく向かない。最初の方の backwards というのは言葉遊びというのを理解するまでは何のことかさっぱりであった。官位を表す言葉 (Majesty、Grace、Excellency など) や、humility、humiliate、lust、brothel、などのストーリーを理解する上でキーとなる単語、そして最後の方の音楽用語連発に至っては、measure、A minor / major、C on ...、そして楽器などの名前も知っておかないと(そしてそれが聴き取れないと)難しい(自分は音楽をやっていたため逆に理解しやすいくらいだったが)。