インセンティブ勉強法

私が中学生のときにやっていた勉強法といえば、薄い問題集を用意して、期末・中間テストのときにひたすら何冊も解くということだった。

分厚い参考書は役に立たなかった。今でも思うが、限られた時間の中で参考書に書いてある理屈を読んでもテストの問題が解けることにはならない。それなら、ひたすら問題集を解いて実践する方がよい。テストは問題が解けてスコアが稼げないと意味がないからだ。

テストの準備なんて1〜2週間前からだろう。第一、テストの出題範囲が発表されるのもその頃だろう。従って問題集にしても分量が多いからといって分厚い問題集を解くというのではダメだ。なぜならまだまだ精神力の弱い中学生が、テスト日までの限られた時間の中でその問題集を消化できるはずがない。

すると薄い問題集(ドリルとかいうもの)をいくつか買って来てどんどんこなす方が、まるごと1冊(といっても問題集自体は薄いのだが)終らせる方が励みになる。

コクヨ グラフ用紙[ホ-1]

ここで、ただ単に問題集を終らせるよりも、終らせたという成果をきちんとビジュアル化(視覚化)して、自己満足に浸れるようにした方が次の励みになるだろう。私の場合はまずは身近にあったグラフ用紙(中学生なら数学の授業で使うから持っているだろう)を利用して、まずは問題集の各ページをこなしたら棒グラフになるように赤いペンでグラフ用紙の 5mm x 5mm 角を塗りつぶしていくという方法を取っていた。

テストで良い点を取るということはあまり考えなかった。一方でその方眼紙が真っ赤に塗りつぶされている姿を想像するのである。そうすると問題集(ドリル)の 1ページを終らせたときの、1つ1つの 5mm x 5mm 角のマス目を塗りつぶしていくという、そんな単純なことがなんとも楽しくなってくる。

PARU_103.jpg

中学のときは自分で編み出した勉強法だと思っていたが、よくよく考えてみるとこの方法は幼稚園のときに先生がひらがなの練習でノートに 1ページ書いたら壁にシールを貼っていたというものからヒントを得たのだと思う。なのでこの方法は古くからあるもので、決して新しくない。これを読んでおられる方の中にも実際に体験したことがある、またはやってきた、という人がいるかもしれない。

さて、この勉強法は、アメリカに来てから実はこちらでは広く一般的に行われている勉強方法なのではないかと思うことがあった。それは、家の近くに学習用具専門店みたいなのがあるのだが、そこで Incentive Sticker なるものが売られていて、それは商品棚の大きな一角を占めていたからだ。ステッカーやそれを貼る用紙のなんとも豊富なこと。アメリカのアマゾンで探したら、とりあえずあった。

対応するシール(アメリカではステッカーという)もそれなりに売っている。

これは、IncentiveRewardsMotivation というキーワードで表されるものである。日本に帰ったときにニンテンドー DS の「えいご漬け」を少しやってみたが、ここで説明したインセンティブ勉強法がうまく取り入れられている。学習を継続させる工夫である。

単に勉強するといっても、コツコツやるにはどうしたらいいか、そのコツコツとは?インセンティブが学習法の提示する方法がヒントとなるだろう。タイマー勉強法と併せて、ぜひ自分なりの勉強法にアレンジしてみて欲しい。

Trackback URL for this post: https://econo.twinkle.cc/trackback/156