全米公開初日 2006/06/09 に PIXAR の最新作 Cars を見た。2006年現在、人類史上最高の CGI (Computer Graphics Imaginary) が見られる。シェリル・クロウのオーブニングと共に「やられる」。
とにかく長いが、歴史的資料の価値あり。後世に残すべき映画。
日本の映画で一番好き。
アメリカでも 『Memoirs of a Geisha』 というタイトルで上映していた。ハリウッドが作った日本映画なんてどうせつまらないだろうと観ていなかったが、気にはなっていた。
そして飛行機の中で観た。最初は英語版を観た。ハリウッド映画なのに、ほとんど違和感を感じなかった。
この映画では前半に登場する大後寿々花が子どもとは思えないいい演技をしている。しかし全体を通してよくわからないところがあったので見終わった後すぐに日本語版を観た(これで 4時間以上飛行機の中で時間をつぶすことができた。ANA 万歳!)。すると…
愚鈍。
このコトバは、高校時代に代ゼミの夏期講習に行ったときに先生が教えてくれた。要は、「愚鈍 ─── バカ正直と言われた方がよいのだ」 という話の中だったと思う。つまりは「常に愚直を心がけよ」ということだった。
日本でライブドアが騒がれていたので、今更ながらウォール街の DVD を買ってみた。この映画、1985 年だから今から 20 年前。日本ではやっとこの映画で描かれていることにマスコミや社会が興味をもつようになったということだろう。
この映画のラストの主人公の言葉は、私の就職活動のときの各企業への志望動機だった。その後の人生を決める上で大事な言葉だったからいつか正確にこの映画の中のオヤジの言葉を(吹き替えでなく)英語で何て言っていたのか知りたかった。サラリーマンとはいえこの言葉を肝に銘じて今までやってきたつもり。
曰く、
この映画の中で Gecko は云うのだ、
...
I create nothing. I own.
We make the rules, pal. The news, war, peace, famine, upheaval.
The price of a paper clip.
...
You're not naive enough to think we're living in a democracy, are you Buddy?
It's the free market. You're part of it.
「結局はゼロサムゲームなのだ。誰かが勝って、誰かが負ける。金それ自体は失われたり作られたりはしないだろ?それはな、単に魔法のように移動しているように見えてるだけなんだよ。
(絵画を指しながら)
俺はその絵を 10 年前に 650 万で買ったが今なら 6,500 万で売れる。錯覚がホンモノになったって訳だ。それが現実になればなるほど、人々はそれが欲しくて欲しくてたまらなくなる。資本主義の持つ最高の側面だ。
…(ここに、資本主義がもたらしたアメリカの恐ろしい統計数字が入る)
俺は何かを創るわけじゃない。所有するだけだ。
我々がルールを作るんだよ、いいかね、ニュース、戦争、平和、飢餓、騒動…ペーパークリップの値段もな。
… (人々がなんでそれが起こったんだろうって考えてる間においしいところを取るのさ)
でもそんなに神経質に考える必要はないぞ、だって俺たち、民主主義の世界に生きてるんだろ?それが自由市場ってもんだ。そしてお前はその一部なんだよ。」
Gecko が言ってることは、資本主義社会というものを非常に簡潔に、的確に述べている。そして本質が集約されている。一方でオヤジ(前者)の言っていることは対照的だ。Gecko と反対のことを言っているのだ。
重要な点は、資本主義はたいがい(少なくとも日本やアメリカは)民主主義とセットになっていて資本主義はあたかも自らが選んだ道であり、さらに自分自身がその社会システムに組み入れられているということまで述べていることだ。
私はこの映画の中に登場する父親の考え(前者)を好むが、これはどちらが正しいということではない。どちらを信じるかは、価値観の問題であって、個人の信条とか哲学に依存するからだ。
ホリエモンは Gecko の言葉そのものを実践しているのだ。