まずは、以下の句を読んでみよう。
「ワライゴナドゥ」 という発音は、どう考えても中学生の教科書に出てきそうにない。日本人なら 「ワット・アイム・ゴナ・ドゥ」 と言いそうだ。だけど、くだけた表現なのにこんなに単語をぶつ切り言ってはダメなのだ。英語を流暢に話すための、そして!なにより、リスニング力を向上させるポイントが、「リエゾン」 なのだ。
単語と単語をぶつぎりに読むのではなく、ある単語の次の単語が母音で始まっていたら、前の単語の語尾の子音と次の単語の最初の母音を合体させて読むのだ。能書きはいいから、例を挙げよう。
フランス語をかじったことがある人なら、リエゾン(Liaison)とは何のことがわかると思う。フランス語では最後の子音は発音しないというルールがあるが、次の単語が母音で始まるときは前の単語の語尾の子音と次の単語の最初の母音がくっついて発音するというルールがある。
例えば、「C'est un...」 では 「セ」 と読む語と 「アン」 と読む語が並んでいる。「セ」 の最後の t と 「アン」 の最初の u が繋がって 「セタン」 となる。
さて、日本語には母音は「あ・い・う・え・お」の 5つしかない。子音を加えたバージョンは 50 音表で表される通りである。帰国子女でもなく、留学も未経験な人にとっては、英語の音を発音はどうしても日本語の音に頭の中で変換されて聞こうとするだろう。今まで未体験なのだから、これは仕方がない。リスニング力の向上とは、その脳みそをどうやって英語のリスニングに適応させるかが課題なのだ。
英語にはフランス語のリエゾンと似たようなものがある。日本人が英語を学ぶ上では非常に重要なものであり、リスニング力を向上させたいならリエゾンを意識すべきだと思う。
今まで、英語バージョンのリエゾンをはっきりと教えてくれた英語教師は今までいなかったが、アメリカで De Anza College の ESL(English as a Second Language)の 「Low Advanced Speaking / Listening」というコースを取ったら、初めてこのことを教えてくれた教師があらわれた。しかも最初の授業で、「らりるれろ」の法則を教えてくれた。この教師が使っている教科書が以下のものである。
この教科書には、「Linking」 といって、リエゾンのことが書かれている。ここでは、その内容を紹介したい。
最初は、例として、以下のイディオムが載っている。ハイフン(-)があるところは、つなげて読む場所である。「らりるれろ」の法則がすべてあてはまる。
以下の文をできるだけ単語ごとに区切らないで読んでみよう。
I've-always wanted to-learn-a-lot-of-idioms.
英語において、日本人としてリスニングが苦手なのは誰もが感じるところだと思う。少しでも克服する手だてはあるのか?私は、「らりるれろ発音」を提案する。英語で 「-tt-」 や 「-ity」 が含まれたつづりを見つけたら、その部分をすべて 「られるれろ」 のいずれかにしてしまえば良い。例を挙げると、以下の通り。
ということで、「良くなる」は、getting better (ゲりング ベらー/またはゲりンベらー)。
最近よく TV で 「Check it out 」 を 「チェケラッ!」 と言ってるのを聞かないだろうか?これこそまさに 「らりるれろ」の法則が適用されているのだ。「チェック・イット・アウト」 より、「チェケラッ!」 の方が外国人にも通じるだろう。日本人が英語をリスニングすると、「早口でよくわからない」 「追いついていけない」 というのが正直な感想だろう。そうなのだ、「Check it out」 を 「チェック・イット・アウト」 と脳内変換している限り追いつくはずがない。
日本人は、日本語のリスニングシステムで、「チェッケラッ」 と、自分の聞こえたとおりに考えればリスニングに追いつく余裕が生まれてくるのである。
ここに挙げたアイテムは、私が実際にTOEIC 700 を超えたあたりから使い始めたものである。TOEIC の自己の目標スコアに最短で到達するために、無駄な時間を減らすのに必要なものを紹介しよう。英会話学校に行かなくても、自習で十分対応できる。特にリスニングは周りの誰よりも短期間でショートカットして攻略できるはずだ。
まずはTOEIC の過去問を手に入れる。長本先生の本は、すでに絶版となっている(あまりにも本番に似すぎていたため、おそらく大人の理由が働いたのだろう)。商品の価格が表示されないのはこのためで、もはや中古しか売っていないからである。実際にクリックして中古価格を確かめてみるとわかるのだが、これらの本は新品で売られていた頃の定価より高くなっている。市場原理が働いて、それだけ価値のある本だということだ。絶対に CD 付きのものを買うこと。
これらは 2006/04 以前の過去問であるが、新試験になってもしばらくはこれらの本が役に立つだろう。長本先生の本が有用な理由は 『試験に受かる超効率勉強法』 を読めば理解できるだろう。一見、TOEIC と関係がないように思われるかも知れないが、大学受験をしたことがない方は特に必読である。
リスニング対策は、長本先生の本の CD と併せて、magic-Talker's があれば十分だろう。magic-Talker's は、韓国で開発されたものである。韓国人より日本人の方が優れている(特に、クルマ、家電、ハイテクなど)と思っている人がおそらく多いのではないだろうか。しかしこの magic-Talker's を聞けば韓国人に対するその偏見は捨てざるを得ない。なぜ日本でこのような英会話学習の教材が出てこないかが悔やまれる。実際に、今は、韓国人は小学校 3年生から英語の授業があるのだという。私が赴任しているシリコンバレーでも、日本人よりも韓国人の方が多いことからもわかる通り、韓国人の方が今は英語を一生懸命勉強しているのだ。その韓国からの教材なのだ、間違いはない。
実は、仕事で海外に来てからこれはヤバいと思ってこのMagic Talkers を使ってみたのだが、収録されているのは基本的な例文ばかりで、とても退屈。には決してならない。
この教材は意味は同じでも違った言い回しが収録されているところがいいのである。学習方法としては、この教材のフレーズを聞きながら自分も同じフレーズをリアルタイムでなぞってしゃべれるか挑戦してみて欲しい。
Rosetta Stone は、アメリカの ESL のクラスで使われていることで知った。実際に自分も買ってみたのだが、かなりいいんじゃないかと思う。日本人は誰も知らないのでは。なぜなら、日本じゃ売ってないから。下手な英会話学校に大金はたき込むよりも効果があると思う。
効率よく学習するために、長本先生の本の CD は加工しよう。加工といってるのは、具体的には以下の部分だ。
Mac を買うと付いてくる iMovie というソフトを使えば、CD を編集できる。これで 45分のリスニングの試験問題が 22~25分に短縮できる。つまり普通に CD を聴いた場合と比較して同じ時間で効率よく 2回聴けるということである。時間は有効に使うべきだ。
また、magic-Talker's の内容を Mac に録音して iPod Shuffle で聞けば、長本 CD と一緒に聞ける。Shuffle はなくても、とにかく自作の CD を作るべきだ。それには Mac が必要なのだ。
英会話の学習はカラオケで歌を覚える方法と似ている。「カラオケと似ている」 というのは、
英語を聞く、話すということは、そのステップに似ているということです。