景気を判断する指標は身近なところにある。
たとえば電車のつり革広告これはできればJR山手線よりも営団地下鉄の方が良い。おそらくみんなが乗る路線は引く手あまただろう。
みんなが乗る路線は広告のひきあいが多いと思われるので、私が毎日利用している田園都市線/半蔵門線の方が良い。
何をみるかというと、車内の、座席の上にあるつり革広告である。これがびっしり詰まっているときは、景気が良い。逆に、景気が悪いと歯抜け状態になる。
企業は、儲かっていないときは真っ先に 4P のPromotionにあたる、販売促進費…広告を減らすからである。いわゆる経費削減であるが、本業の儲けをあらわす営業利益とは、
(売上高営業利益=(売上高)-(販売管理費)
という単純な式なので、販売管理費(販管費という)に計上される広告費を減らすことになる。
毎日チェックすると、景気動向を微妙に反映していることがわかってきて、おもしろい。あと、量だけでなく広告の質も大事である。一流企業の広告は、実は決して多くない。その路線の地元のお店の広告と一流企業が出している広告の割合もチェックする。
毎日乗っている退屈な電車だからこそ、こういった遊びを見つけると面白く感じる
今朝の電車を見たら、広告の歯抜けが思ったよりも多かったので、政府が言うほど、最近の景気は回復基調にあるとは思えない。
マーケティングの分野で、マーケティング・ミックス=マッカーシーの4P (E.J.McCarthy’s 4P) と言えば、通常、製品、価格、販売促進、流通チャネルを指す。
ビル・トッテンはアシストの社長である。
アメリカ人でありながら、日本人以上に日本のことを良く考えている。
彼のコラム Out World には日本経済/社会問題に関する鋭い視点がある。
Our World: https://www.ashisuto.co.jp/corporate/totten/column/
<プロフィール>
ビル・トッテン ( Bill Totten )
株式会社アシスト 代表取締役
1941年 米カリフォルニア州に生まれる
1963年 カリフォルニア州立大学卒業
1963年 ロックウェル社(アポロ計画)勤務
1967年 システム・デベロップメント社 (SDC) 勤務
1969年 SDC に在籍しながら南カリフォルニア大学経済学博士号取得。
同年、SDC の社員として日本の市場調査のため初来日。
1972年 株式会社アシスト設立、代表取締役となり、現在に至る。