ここに私が独り言として投稿している内容は、言われればなるほどそうだよな、とか、ともするとあたりまえのことかも知れない。しかし、誰もが思っているそのあたりまえのことを、まだ誰も言ってない(発表していない)状況でそれに気づいて発言することは難しいと思う。
例えば、現在アメリカはバブル経済の真っ只中にあるが、怖いことにほとんどのアメリカ人はこのことを深刻に気づいておらず、もはや誰も止められないように見える。1929 年や日本が 1990 年に経験したバブル崩壊の教訓は一切活かされていないようにみえる。活かされていないどころか、「ニューエコノミー論」 といって、「インフレなき成長」 とこれは従来の経済理論では説明できない現象、と言う学者さえもいる。これを支持する学者は、「土地 (不動産) に投機資金が向かっていないから」などと言うが、土地に金が流れなければバブルではないと言えるのだろうか。
オウムも、ライフスペースや法の華などの宗教関係にいる人も一度自分たちがその中に身を置いてしまうとこれらの団体が社会的に罪をおかしていてもそれを理解することができない。
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歴史から学べることは、日本という国は、ある1つの方向に意志が働くと、ほとんど全員がその方向に行きやすい国民性を持っているということ。大政翼賛会など太平洋戦争直前の動き、これも、渦中にいる人は起こっていることに気づかない (自分がどういう方向に進んでいるのか認識できない) 、というか、何が起こっているか 「気づけない」 ということの例である。このことには注意すべきである。
ちなみに株とつきあうには、この法則は重要である。株に限らず、この法則は常に思い起こすべきである。
今回は、CRM (カスタマー・リレーションシップ・マネジメント) のお話。
私がこの言葉を聞いたのは、ちょうど去年の暮れあたりからだったから、1 年前くらいからだろうか?当時は実は、打ち合わせでこの言葉が出てきても何のことかまったく意味がわからなかった。本当に突然ふってわいて出てきたような言葉だった。ある時点からたくさん聞くようになった。それが 1 年くらい前だと思う。CRM の考え方は、ひとことで言うのもなかなか難しいのだが、私なりの理解だと、 「新規顧客よりも、今までいる既存の顧客のほうを大事にしていこう」 という企業のマーケティングのあり方のことである。この背景には、モノが行き渡り、市場が成熟した社会では、顧客のパイ (顧客数) を拡大するだけでは利益をあげることができない、というのがある。例えばクルマなら、私たちが生まれる前ならばクルマを持っている家庭とそうでない家庭 (持ちたくても経済的にもてない家庭) があったが、今の日本では当時と比べるとクルマの普及率は格段と上がったと思う。これは、家電、、、すなわち、冷蔵庫、電子レンジ、テレビ、洗濯機、電話などもあてはまる。つまり、誤解を恐れずに言えば、欧米+日本ではモノはほとんど行き渡ってしまったと言ってよいだろう。
そうなると、新しく顧客を獲得するよりも、優良な (=会社に利益をもたらす) 既存の顧客を維持する費用の方がはるかに安い、という考え方がでてきた。 「新規顧客獲得には既存顧客維持費用の 7 倍のコストがかかるといわれている。そこで優良な顧客を囲い込む戦略が必要となってきた」 これが、CRMが出てきた背景である。
コンビニは、死に筋の商品をいち早く破棄し、売れ筋の商品ばかりを並べる。これは王道。
が、、、、死に筋の(売れない)商品にも、実は大事なものがある。
コンビニに行くと、ロウソクや軍手が置いてあったりする。軍手はまだしも、ロウソクは、、???って感じだ。でも、これはたとえロウソクがガンガン売れる商品でなくても、「ロウソクも置いてあるから、この店は安心!!!」 という意識を客に与える効果を狙っているのだ。
これは、マッカーシーの 4P の、Product(製品・商品政策)=マーチャンダイジングの分野。
あなたがもし街を歩いていてバンパーの壊れたままのクルマを見たら、それは偶然ではない。
バンパーが壊れたままの理由を考えてみて欲しい。バブルのときはどうだっただろう?少しくらいのキズでも、直していたはず!なぜなら、みんなピカピカのクルマを乗っていて、キズのあるクルマは恥ずかしいからだ!ところが、不景気となると、少しくらいのキズや、ぶつけた後は放っておく。
これは、アメリカのシカゴに住んでいた私の友人宅へ 1998/07 に遊びに行ったときに聞いた話からもインスパイアされる。
私 「今、アメリカは本当に絶好調なのか?」
友人 「うんそうだと思う。10 年前、住んでいたけど、そのときは、ちょっとくらい壊れててもみんな乗ってたけど今は新車ばっかり」
また、例えばもしあなたが街でヴィッツを見かけたら、やはりそれも偶然ではない。ヴィッツが売れているという証拠である。
新車や、とくにその新車が白いクルマで、、それらをたくさん見かけるようになったら、それは景気が上向いてきた証拠である。白いクルマはどんな色のクルマよりも最も汚れが目立つ色 (クロはまぁ、特別として) であり、洗車などの維持費もたくさんかかるからである。バブルの頃は、トヨタで言えば 「スーパーホワイト」 (のマークⅡ) しかなかったと言っていいだろう。バブル崩壊後は、白いクルマはほとんどみかけなくなり、消費者心理を象徴するような色物系が増えたはずだ。
どんなクルマが走っているかは、街に出て目で見て感じ取れる重要な景気指標である。