[inline:fragmented_society_6.jpg] 物事を最小単位に分割する微分化は本も例外ではなかった。最初はオンラインで本が売られるだけだった。最初に本をオンラインで売り出したのはアマゾンだ。
そして最近その本家アマゾンはアマゾン・ページズというサービスを始めた。これは、本をページ単位で販売しようという試みである。
本も微分され、情報は人間が認識できる最小単位までバラバラにされていく。これが今現在進行形で我々の目の前で起こっている現象であり、一度
微分されると次はその断片同士に価値がつけられていく。1冊の同じ本の中でも、ページごとに値段が違う・・・そんな時代がやってくる日も近いかもしれな
い。
[inline:fragmented_society_5.jpg] 今やPCさえあればリアルタイムに株価がわかる。自宅がトレーディングルームになる。今まで証券マンが電話で株主からの注文を受け継いで株式の売買をしていたものが、インターネットを利用したネット証券なるものが生まれ、人に代わってコンピュータが処理するようになった。
[inline:fragmented_society_4.jpg] 時代が進むと、スクリーンのサイズもどんどん小さくなっていく。最初はとても大きな劇場だった。その後映画館となり、お茶の間TVとなり、PC、そして今やケータイで手の平の中に。
動画の長さも YouTube では最長10分。しかし YouTube の世界で
10分の動画というとそれでも長い方だろう。1分か 2分。面白いところだけを抽出して載せる。このようなスタイルは今までになかったものだ。日本ではニコニコ動画がブレイク。これについてはもっと後の方で触れる予定。
[inline:fragmented_society_3.jpg] 昔のクラシック音楽は曲の長さが数十分なんていうのはざらにあった。
今のポップスはどうだろう。だいたい1曲数分だ。
CM ソングともなるとサビしか流せない。たったの 15秒だ。
サビの部分たかだか 8小節というところか。
着うたフルは別として着メロに関しても、自分のケータイに呼び出しが来て出るまでの間に鳴っていて欲しいものだから、これもサビが選ばれる。8小節から長くて16小節だろう。
そうするとポップスはサビがいかに「キャッチーなメロディーか」によってビジネスとして売り行きが決まる。
[inline:fragmented_society_2.jpg] まずは例証していくのがいいと思う。
第一弾は、音楽。
その昔、レコードはアルバムとして曲を「まとめ売り」していた時代があった。
それは CD になっても同じであり、シングルもあったが、アーティストが創った曲すべてがシングルカットされるわけでもない。
iTunes の登場によって今や1曲1曲がバラバラにネット上でダウンロード販売されるようになった。
これはビジネス的にみると、アルバムの「まとめ売り」や「売れる曲だけをシングルカット」していたパラダイムとは大きく違うものである。
IT 技術が発達すると、情報が断片化され、容易に管理できるようになる。iTunes は、音楽ビジネスの形態も変えてしまった良い例だ。