時代の移り変わりを、「パラダイムシフト」 という。
我々は、90 年代にインターネットを手にした。そして時代が変わった。これをパラダイムシフトという。主に社会またはその分野でインパクトを持って移行が伴うものだ。
今、私たちが目にしているパラダイムシフトは、大きなくくりで言うとIT関連ということになるが、日本では iモード / ケータイ、eコマース、液晶 / プラズマ TV、HDD レコーダー、少し専門的になるが IT の世界では 「オブジェクト指向」 「Java」 「無線 LAN」 あたりとなるだろうか。
最近、ADSL という言葉をよく聞く。PCをインターネットにつなぐときの方式のひとつではあるが、この方式を説明するには 「水道」 を考えるとわかりやすい。
自宅にある水道の蛇口をひねると水が流れるのは当然のようなことではあるが、実際は水道局 → 水道管 → 蛇口という流れになっている。水が蛇口から出るとき、実際には水道局、水道管、蛇口、の 3 つの要素だけではないが、ここでは話をわかりやすくするために単純化することにする。
水道局と蛇口はまっすぐな水道管で結ばれている。水道局には水を流すポンプがあって、しこしこ水を汲み上げて流しているとする。
このとき、蛇口が水道局から近ければ近いほど勢いよく流れる。ポンプとの性能と水道管の太さが同じなら、蛇口が遠ければ遠いほど水の流れが弱くなる。それだけ長い水道管を通って水が流れるにはそれだけの圧力が必要だからである。
これと同じ原理が ADSL である。
水道局を電話局、水道管を電話線、蛇口を PC に置き換えてみよう。流れるのは水ではなくてデータである。
ADSL では電話局から近ければ近いほどデータ転送のスピードが速い、、すなわち、プラウザでHPを見るときに瞬時に表示されるということである。電話局から近ければそれだけ電話線を流れるデータのスピードが速くなる。
水道の場合は、水道局から蛇口までの水道管は実際には 1 本ではなく、何本かの水道管がつながっているとすると、つなぎ目で水が少し漏れるかもしれない。
「多少、途中で水漏れがしても蛇口から普通に水が出れば良い」
実は、この考え方が ADSL の基本である。ADSL では 「データを速く流すかわりに、途中でデータがなくなって
しまっても、もう一度送り直せばいいや」 みたいな感じでシステムが設計されている。途中、データがなくなってしまうことを 「伝送損失」 という。電話局から自宅が遠くなればなるほど、伝送損失が多くなるため(水道の場合は水道局から蛇口が遠いと水道管のつなぎ目が多くなるから水漏れが多発する)、ブラウザに表示されるべきデータが PC に到着したときに、途中で失われたデータを復旧するのを待つのである(必要なデータが揃わないとHPを構成できないでしょう?)。よって HP の表示が遅くなるのである。
これは、水道局にあるポンプの性能が上がったために、多少水漏れしても蛇口から問題なく水が流せるようになった、ということに似ている。
ADSL は、結構いい加減な仕組みで成り立っているのであった。これを「ベストエフォート(最大限の努力)」という。
ちなみに、 ADSL に比べて途中で伝送損失がほとんどないのが 「光ファイバー」 を使ったデータ伝送方式である。これを FTTH (Fiber to the Home) という。NTT東西が「フレッツ光」とCMしているのはこのことである。
あと数年もすると光ファイバーによるインターネットの世界が訪れることになっている。
SGI (シリコングラフィックス) という会社がある。少し前まで CG (コンピュータグラフィックス) といえば SGI だった。映画スターウォーズ I や、マトリックスなども SGI のワークステーション (PC よりも性能のよいコンピュータを、ワークステーションという) で作られていた。
クリック→ https://www.sgi.co.jp/features/2000/apr/oscar/
その SGI の本社は、シリコンバレー (サンフランシスコの南) にあり、2000 年に私がアメリカに行ったときは広大な敷地に巨大な自社オフィスを構えていた。その頃は IT バブルの絶頂期だったので、 「アメリカ人は大丈夫か!?」 と、バブル崩壊を知る日本人として心配したものだ。当時、サンフランシスコ国際空港もすごく立派な建物に生まれ変わっていたほどだ。
アメリカにいる上司と話す機会があり、今は IT バブルが崩壊して、シリコンバレーのオフィスもガラガラ、家賃は 3 割安、という話を聞いて、その後 SGI どうなったのかと思って尋ねてみると返ってきた答えは、
「あぁ、SGI には今は Google の本社があるよ」
だと!! SGI は、どんどんオフィスを縮小して Google などに貸して、自分のオフィスは敷地の隅の方に追いやられてしまったらしい。
そーかー、そんなに大きくなったのかぁ。。。Google は。
みなさんはウィンドウズの「タスクバー」をどこに置いているだろうか。
タスクバーとは「スタート」ボタンがある横に長い帯のことだが、デフォルト (工場出荷時のまま) だと、タスクバーは画面の一番下にある。
実は、タスクバーは画面の右にあった方が、慣れれば使いやすい。
なぜなら、PC の画面は縦よりも横に長い一方で、横書きの文章は縦方向が長い方がよい。そのため画面の一番下にあるタスクバーは本来邪魔である。なのでタスクバーを下よりも右に置いた方が限られた画面を利用する効率がいいのである。
また、ほとんどの人は右利きである。「左から右」 にマウスを移動させる方が楽である。厳密に言うと、左上から右下にマウスを移動させる方がよい。ということは、マウスを操作する場合画面の右の方をクリックした方が使いやすい。このことは、Mac とウィンドウズのダイアログボックス 「はい」「いいえ」 ボタンの位置の違いに表れている。
ウィンドウズの場合は常に、
だが、Mac の場合は常に
の並びになっている。
PC は印刷されたものと同じようで実は違う。印刷物では 「はい」「いいえ」 の配置の方が人間の思考から言ってわかりやすい(なぜなら横書きは左から右に書くから)が、操作主体のコンピュータでは、Mac の方がマウスの移動がしやすい=操作がしやすく作られているのである。
マイクロソフトは、HP用の英数字用フォントとして、「Verdana」というフォントを推奨している。
どんなフォントなのかは、マイクロソフトのHP、https://www.microsoft.com/ にアクセスしてみればわかる。ここで使われているフォントはすべて Verdana である。
長い間、私はこのフォントの読み方(発音)がわからなかったので、調べてみた。結果は以下の通り。
つまるところ読み方は「ヴァーダナ(または、ヴァードゥナに近い発音)」でいいと思う。
以下、
https://d.hatena.ne.jp/walkinglint/20031204/p34
より無断転載
Verdana は,一見,普通の Sans Serif 体("Sans Serif" は「ひげ飾りの無い」 という意味を持っており,日本語書体でのゴチック体に相当する) のように見えるのだけれど,実は、コンピュータでの利用を想定して様々な工夫が凝らされている。紙の上での見た目ではなく、スクリーン上での見た目を基準としてデザインが行われているということだ。
このフォントのデザインにおいて,最も注意深く練られている点は、小さなサイズでの視認性の保持だ。カーブと直線を強調したように見えるこの独特のデザインは、縮小時にピクセルが好ましい配置となるよう,意図して構成されたものだ。また、"l"、"I"、"1" のような類似文字の分別や、文字間のスペーシングの調整などにも細心の注意が払われている。上記ページにある比較画像を見てみれば,他のフォントの同ポイントの文字と比較して、確かに視認性の高さを持っていることが分かるはずだ。
ところで,もうひとつ気になっていた "Verdana" という名前の由来については,下の Daniel Will-Harris 氏の記事に簡単な説明が添えられていた。
https://www.will-harris.com/verdana-georgia.htm
曰く,「緑の豊かな」という意味を持つ形容詞 "verdant" が元となっているようだ。シアトルの風景における緑の豊かさにちなんで付けられた名前なのだろうと思う。
Carter 氏は Verdana の他にも幾つかのフォントを Microsoft に提供している。"Tahoma" や "Geogia" などがそれにあたるものだ。
###おまけ
Trebuchet Nation は Trebuchet MS について...
"Trebuchet" という単語は、中世において投擲武器を発射するための兵器を指し示すものとして使われていた。私はこの名前が、インターネットに向かって文章を発射するためのフォントの名前として、非常に適したものであると考えた。
###さらにおまけ
Comic Sans Cafe は Comic Sans について...
このフォントは、Windows に標準で組み込まれているフォントの中でも、最もキャッチーな見た目を持っているフォントだ。しかし、その容姿の柔らかさがライトユーザを強く惹き付けてしまうためか、やや安直に濫用されてしまっている傾向がある。英語圏の「良識ある」ユーザ達は、この "Comic Sans" に氾濫にほとほとうんざりしているようで、"Ban Comic Sans" (Comic Sans を撲滅せよ!) などと題されたジョークサイトまで立ち上げられてしまう始末だ。