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IT の世界で民主主義は成立するか (2)

  • IT と民主主義

    しかし、逆に言うと (ウィンドウズがデファクトになった事実は) 、これは IT の世界ではプラスに働いていたのも事実だと思う。今まで述べてきたように、IT の世界では 「良い選択肢」 (たまに悪い選択肢も混ざることはある) がたくさん存在するので、 「決め」 の問題で解決しなければならないことが随所にあるのだ。ここで選択肢の競争が生まれ、それが良かろうが悪かろうが 「強い選択肢」 が後世に残ることになる。ここで、世界中の人が集まってどれがいいのかああだこうだと考えていたら、決まるのも決まらず、その間にどんどん良い選択肢がでてきてしまうので、先に進まないのだ。だから、ウィンドウズがたとえ Mac のパクりでも、製品としてサイアクでも、ビルゲイツが音頭を取って普及させデファクトとなったことに対しては、人類にとってはおそらくプラスだったに違いない。むかし日本であったビデオの規格の VHS と β のときのように、企業の都合だけで 2 つの規格が長い間並存することは消費者にとって必ずしもプラスにはならないこともある。

    ここまで来てやっと IT と民主主義の関係を考えることができる。

    当然のことながら民主主義とは多数決で物事を決めるのである。多数決とは、できればそこに参加するメンバー全員の意見が反映されることが望ましい。一方 IT の世界で、技術の標準やそこでのルールの決定において、参加者全員の意見を集めるのは不可能である。さらに、参加者全員が新しく矢継ぎ早に提案されていく技術に詳しいとは限らないし、ほとんどの場合技術は一部の人にしかわからない。だから、やはり誰か 1 人が 「決め」 るのが一番早く、効率的な方法と考えられる。もうおわかりだと思うが、IT の世界で民主主義は成立しないのだ。カリスマや独裁者みたいなのが1人いれば実はいいのである (というのは強引だろうか?でも本当にそう思っています) 。つまり、システム全体を見渡せて、良い選択肢を組み合わせることのできるアーキテクトというか、デザイナーが 1 人いればいいと思う。これは 5 人とか 10 人とかではいけない。なぜなら 1 人で決めるよりも 5 人で討議する方が意見の調整に時間がかかるからだ。スピードが出ない。やはり 1 人が決めればいいとなる。しかし、1 人ですべてのことを決定するとしても限界があるので分野ごとに 「独裁者」 を決めてはどうだろう。この独裁者の決定は民主主義の原則に基づいて決めても良い。これはたとえば Linux の開発者である Linus 氏のように、民主主義の原則を持ち出さなくても、たぶん、おのずと決まってくるとは思う。

Posted on 2000-07-25 by yas |

IT の世界で民主主義は成立するか (1)

IT に民主主義はなじむものか考察してみたい。ここで言う IT とは主にインターネットを柱とするコンピュータの世界を考える。

Posted on 2000-07-25 by yas |

パーミッションマーケティング

電子メールはプッシュなので、ともすると自分には全く必要のない情報 (メール) まで受け取ることになる。おそらくこれを読んでいる読者の中にも、見ず知らずのアドレスから英語で書かれたわけのわからないメール (たいていはアダルトサイトの宣伝だったりする) を受け取った経験のある人がいるのではないだろうか。

メールアドレスを教えたつもりがないのに見知らぬ相手からメールが届くというのは、何かしらの原因がある。たとえば、ウェブサイトでユーザー登録などをしているうちに、いつの間にかあなたのメールアドレスは業者 (名簿業者みたいなもの) に売られていくことになる。こういったメールは 「スパムメール」 とも言う。アダルトサイトの宣伝は端的な例だが、これと同じようにメールという仕組みを使って、一般の真面目な企業も不特定多数に自社の製品やサービス情報を提供したいと考えるのは当然である。TV の CM、新聞や雑誌に広告を出すよりもメールの方が断然コスト (費用) がかからないからである。

プッシュとプル

インターネットには、「プッシュ (押す)」 と 「プル (引っぱる)」 という考え方がある。「プッシュ」 とは、特に何もしなくても情報が自分のところに勝手に (能動的に) 届いてくるようなイメージである。メールはプッシュのメディアと考えてよい (※) 。あなたが意図しなくてもメールを送る相手があなたのメールアドレスを知っていれば、メールを送って欲しくない相手からでもメールが自分のメールボックスに届くことになる。この仕組みが「プッシュ」である。

一方、「プル」 の方は、適宜自分の方から情報を取りに行くというイメージ。ウェブがその代表格で、プルに相当する。なぜなら、ウェブにアクセスするためには何らかの形であなたがアクセス先のホームページのアドレス (URL という) を (検索サイトなどで) 知り得てから、ブラウザを使ってホームページを 「見に行く」 からである。プルは、PC の前で待っているだけでは情報はやって来ない。自分で情報を取りに行くのである。

(パーミッションマーケティングに続く)

(※) 実は、厳密に言うと、メールというシステムでは、*電子メールを送るときはプッシュ*であっても、*読むとき (メールを受信するとき) はプル*である。これを説明し出すとややこしくなるが、メールが届いたかどうか知ることができるのは、メールソフトが毎回決まった間隔でメールが来ているかどうかメールサーバに問い合わせているからである。たとえばサーバに問い合わせる間隔を 1 分にすると、事実上ほぼリアルタイムでメールの到着確認をしていることになるので、送受信含めてメールをプッシュといっても良い。

iモード革命 (3)

今回は、iモードの将来について考えてみたい。

Posted on 2000-05-22 by yas |