週末書店でたまたま手にしたこの本、Excel でのポートフォリオの分析のやり方とか載ってそうで、なかなかよさそう。今まで、株式に関する本は、一切読んだことがなかったが、これは買ってみた。そしたら、すごく良い本だった。中身は、まともだがタイトルで損してるような気がする。
大学の統計学やマーケティングの授業で、分散とか、標準偏差とか、回帰直線とかたくさん出てきたが、経済学部は文系だから、授業のほとんどは 「どう計算するのか」 という計算方法に費やされて、実社会に役に立つものではなかった。昔は Lotus 1-2-3 の全盛で、そのためだけの授業もあって、これはこれで良かったんだけど、所詮は操作方法で終わってしまっていた。良くて、1-2-3 にデータを自分で入力して、回帰直線を作るくらいで、それで 1 年が終わってた。
しかしながら時代が変わったのか、この本では難しい計算はすべて Excel にやらせて (昔も、1-2-3 でできたんだが)、実データとして扱う株価データなんかもインターネットから集めて、分析の結果の値がどのような意味をもつのか説明してくれている。
よく考えれば、Σ(シグマ)の意味だけ知っていれば、分散や標準偏差の公式なんて覚えてても、そのあたりはExcel の関数1つであらわすことができるから、計算方法なんて全然覚える必要がなかったのだ。そういうことを再認識させてくれる本だ。
特に、目からウロコだったのが、株価の前日比の標準偏差を取ったものが 「リスク」 であったということ。
なんだ、最初からそう言ってくれればいいのに…株式に興味もってから早 7 年、大学の授業を受けていた時から数えると 10 年目にして初めて
ということをこの本によって知ったのだった。
ポートフォリオ理論は、学生時代に専攻にしたかったのだが、これを教えてくれる教授は、1 年おきに 「線形計画法」 と 「ポートフォリオ理論」 をやってて、ちょうどわたしが在籍してた頃は、ポートフォリオをやる年に教授が 1 年留学してしまって、私の本当の専攻はマーケティングだったから、線形計画法だけその教授のゼミにもぐらせてもらっていたこともある。
ちなみに、ポートフォリオとは、株式(金融商品)の分散投資のこと。分散投資とは、株を買うときに 1 つの銘柄だけ投資するのではなくて、複数の銘柄を組み合わせることによってリスクを低くして投資すること。
2000/04/25 日経朝刊の大機小機より無断抜粋 & 改編
グローバル化や IT 革命の中で、経済はどんどん変わりつつある。企業は急速に行動様式を変えつつある。同じように経済政策も変わらなければならない。現代の経済政策が満たすべき条件は次の 3 つである。
どんな交渉にも強い人とはどのような人か、ということについてを一般的に捉えたもの。これについては、
日本の交渉学の始祖、ICU 教授の藤田忠先生の著書「燮の交渉力」から「交渉力を構成する 12 の因子」を
引用する。ちなみに「燮」は「やわらぎ」と読む。
交渉は信頼関係の上に成り立っている。この個性は生まれつきのものではない。
交渉では準備あるいは交渉計画が重要である。計画力あるいは準備できる力が必要である。
チャンスと思ったら決断をする。商売にならないと思ったら逃げる。人に悪感情を与えずに好機をつかませるセンスが商才である。
日本人は対立(コンフリクト)に弱い。コンフリクトの上に安住できない。
高い目標に人生をかける勇気のあるものは大成する。交渉も同じである。
待つことは神の知恵なのである。忍の一字で待つこと。
当方が心を開けば相手も開く。開かれた心でなければ、交渉は成立しない。
人を見る目。偉大な人物は一目で相手を見ぬく。こういう人にかかっては仮面をかぶっても役に立たない。
自分を説得できないから自身がないのである。自分を説得できない者が他人を説得できるはずがない。
誰にでも愛されたいと思う人には安定感がない。八方美人がこれに当たる。安定感のある人でなければ交渉力はもてない。
自分ばかりよくなればよいという自愛の人は交渉に向かない。隣人愛が必要。
2000/03/02 日経朝刊 1面コンビニ進化論▽下より:
▼セブンイレブン基礎データ:
-全店売上高は推定で約 1兆 9,650億円 (前年同期比6%増)
※ダイエーは同 2兆 1,800億円 (同 7%減))
→その差約 2,150億円は 2001年 2月期 (1年後) に逆転する見通し
-年間販売数量
電話などのテレコムの世界において、電話会社は顧客がたとえばケータイ電話で「誰に、そしてどのくらいの時間、電話したか」を調べれば、それを元に頻繁にケータイで連絡を取り合うグループ───すなわち、友だちネットワークを把握することができる。
そして、いったんグループがわかれば、電話会社はこのグループ内の顧客に対して、グループ意識を持たせ
たプロモーション (販売促進) やサービスを実施することで、自社に利益をもたらす (ロイヤルティ) 顧客
を育てようとする取り組みが可能になる。
たとえばアメリカの MCI のフレンズ & ファミリーなど、現在ではテレコム系を中心とした多くの企業が取り組んでいる。このグループ特定には、近ごろはリンク分析 (Link Analysis) と呼ばれる方法が使われることが多い。
リンク分析とは、電話通話、FAX 通話、メールなど 2 者(または 1 対多)の間に発生する通信データの頻度に注目し、n 者間のつながりをグラフによってビジュアル化することで、互いに関係を持っている特定グループを発見する方法である。しかしこの方法では、特定のグループを特定できたとしても、そのグループにおいて他に影響を与えやすい 「オピニオンリーダー」 的人物の特定が難しい。そのため、特定されたグループの中で、特に 「誰を?」 中心にプロモーションを行っていけば良いか?の判断がつきにくい。より効率的かつ効果的なプロモーションを実施するためには、このグループにおいて最も影響を与えるであろう人物を特定することが望まれる。
この「オピニオンリーダー」の存在は、電話会社にとって大変重要である。なぜなら、オピニオンリーダーが解約してしまうと、それに伴って、そのグループ内の顧客も次々にやめてしまう可能性が大きいからである。
たとえば、 PHS とケータイの関係を考えてみよう。 PHS とケータイの付加サービスであるショートメッセージは互換性がない。ここで、今まで主に PHS を利用していたオピニオンリーダーらが、「来月からケータイに変える」 と言い出せば、グループ内の顧客らが「私も変えようかな」ということになる。 PHS かケータイどちらを買おうか迷っている潜在顧客(すなわちこの場合オピニオンリーダーの友だち)に対しても、「オピニオンリーダーがケータイを使っているから」という理由でケータイにする可能性がある。 PHS とケータイはもともと方式が違うが、ケータイ同士でも、日本ではドコモの iモードと、cdmaOne の違いがある。
このような「オピニオンリーダー」、そしてこのリーダーを中心とした「グループ」が自分の持つケータイ・PHS をどこの会社・方式にしようか、相談するようなメールのやりとりを私は目の当たりにしたことがある。実際の経験からもこの理論は現実性がある。
◆ ◇ ◆
以下は、そのオピニオンリーダーを割り出す手法である。
ゲーム理論で扱われるシャプレイ値の考えを導入することで、n 者間の関係を表すグラフの中で、最も重みのある (他に影響を与える) ノードを発見する。以下の特定グループ抽出手順、および、グループ内オピニオンリーダ抽出手順。